《日本ーインドネシア国際友好展2018  ISBI BANDUNG シンポジウム》

写真提供:ISBI Bandung / Japan and Indonesia International Friendship Exhibition 2018 SymposiumⒸAsia Art and Culture Association , All Right Reserved “Gallery Asumu Art Space”

「日本-インドネシア国際友好展2018シンポジウム」 《能面-必然性のある存在感-》について・・・

 2018年3月8日(木)13時より,国立インドネシア芸術文化大學バンドゥン校内に併設される,ギャラリー212にて,《日本-インドネシア国際友好展2018シンポジウム》が開催された。本シンポジウムは,同大学講師ならびに教育機関者,学生を対象としたものである。  

 日本側のスピーカーは,能面作家であり,共立女子大学名誉教授,水谷靖氏である。本シンポジウムでは,「能面-必然性のある存在感-」をテーマに,ご自身の体験談,ならびに能面の制作方法について,作品や工具などを手に取り詳細に解説が行われた。

 会場内には,《能楽》の演目,三番叟で使用される《翁》をはじめ,《小面》《増女》《深井》《万媚》を中心とした女面,《童子》《中将》《小牛尉》などの男面,《橋姫》《般若》《痩男》など怒りや悲しみを秘め,鬼と化した面,そして,《小べし見》《大べし見》《大飛出》などの繊細かつ豪快な作品およそ23点が展示され,来客者を魅了した。
 

 また,会場内では,能面を「かける」体験も行われた。つくり手は,常に,「能面」を実際につけ,肉体と一体化することで,演じて心の表現がなされることを意識しているという。実際の能面は,すっぽり覆うものではなく,顔より少し小さく顎が少しはみ出して見えるくらいが良しとされ,また,能面の目の穴は非常に小さく,面をかけると視野が極端に狭くなる。又,面の裏側にも様々な細かい日本人ならではの細工とこだわりが施されているという。

 インドネシアにも様々な仮面が現存し,インドネシア語で仮面は,トペン(Topeng)と呼ばれており,中部ジャワのワヤン・トペン(wayang topeng)をはじめ,バリ島に多くの仮面劇があり,カリマンタン島には,現在でも祖霊崇拝儀礼に基づく仮面劇が行われている。そして,西ジャワでは,トペン・チレボンと称する仮面舞踊が今も受け継がれている。

 本シンポジウムを介して,両国の美術文化について対話し,体験し,そして,学ぶ貴重な機会となった。



《報告―日本-インドネシア国際友好展実行委員会》


写真提供:ISBI Bandung / Japan and Indonesia International Friendship Exhibition 2018 SymposiumⒸAsia Art and Culture Association , All Right Reserved “Gallery Asumu Art Space”

2018年03月08日